花札用語集

花札の各技法で使われる用語を解説します。

各技法の解説ページに登場する用語をまとめました。札の種類・席順・配り方・出る下りるなどの基本は「花札の基本」ページで解説しています。

遊戯の進行

札合わせ(ふだあわせ)

手札や山札から場のカードと同じ月の札を合わせて取る、花札の基本的なプレイ動作です。手札から1枚出して合わせ、山札から1枚めくって合わせる、という流れを繰り返します。合う札が場にない場合は、その札をそのまま場に置きます。合う札を出した場合は必ず取らなければなりません。

場の札に注意

場に同じ月の札が2枚ある場合は、どちらか1枚を選んで取ります。場に同じ月の札が3枚ある場合は、手札から4枚目を出すと4枚すべてを取れます。

取り札(とりふだ)

場の札と合わせて自分のものにした札のことです。取り札は手元に表向きに並べ、全員に見えるようにします。取り札の組み合わせででき役が成立します。

精算(せいさん)

1回の勝負(月)が終わった後に行う得点計算のことです。精算の方法は技法によって異なります。

  • こいこい: 勝者の役点数をそのまま敗者から受け取る
  • 花合わせ: でき役の精算 → 取り札の基準点(88点)との差分精算
  • 猪牡忠臣: 相場×倍率を出たプレイヤーから受け取る
  • 八八: 手役・でき役・特殊役・下り賃・取り札を順に精算

役代(やくだい)

成立した役に対して支払われる点数のことです。でき役は他のプレイヤーそれぞれから受け取ります(例:3人プレイで20点の役 → 2人から計40点)。手役も同様に他プレイヤーから徴収します。

下り賃(おりちん)

八八で「下りる」を宣言したプレイヤーが支払う退場料です。退場する順番が遅いほど高くなります(1番目: 1貫、2番目: 1.5貫、3番目: 2貫、4番目: 2.5貫)。下り賃はその場に置いておき、月の終了時にその月の勝者(手役を除く最多得点者)が受け取ります。

追い込み(おいこみ)

八八で「出る」と宣言した3人が確定した後、自動的に下ろされた者(追い込まれた者)に対する補償制度です。追い込まれた者の手札に応じた追い込み賃を、出た3人がそれぞれ支払います。手役がある場合はその半額、でき役に関係する特定の札がある場合は1枚あたり3点などの基準で計算されます。

吹き消し(ふきけし)

特定の条件により、すでに成立・発表していた役が無効化されることです。

  • こいこい: こいこい宣言後に相手が先に勝負を宣言すると、自分の役が吹き消される
  • 八八: 特殊役(素十六・二た八・総八)が成立すると、その月の手役が吹き消される

無勝負(むしょうぶ)

その回が引き分けとなり、役代のやり取りが発生しないことです。

  • こいこい: 双方に一度も役ができないまま手札を出し切った場合
  • 花合わせ: フケ(取り札20点以下)が発生した場合

配り直し(くばりなおし)

手札の内容が特定の条件に合致した場合に、もう一度最初から配り直す制度です。

  • こいこい: 手四(同月4枚)や喰付(同月2枚が3組)があれば申し出可能
  • 猪牡忠臣: 杜若・菊・桐のいずれかの札が4枚揃っていた場合

役の分類

でき役(できやく)

遊戯中に取り札で特定の組み合わせが揃うことで成立する役です。五光・四光・赤短・青短・猪鹿蝶・花見酒・月見酒などが代表的です。技法によって種類・点数が異なります。

手役(てやく)

配られた手札の段階ですでに成立している役です。こいこいや花合わせでは手役を採用しませんが、猪牡忠臣・八八では重要な得点源です。遊戯開始前に公開し、役代を徴収します。

打ち切り役(うちきりやく)

成立した時点で手札や山札が残っていても即座にその回が終了する強力な役です。猪牡忠臣の四光・赤短・青短が該当します。打ち切り役は相場に対する倍率で精算されます。

特殊役(とくしゅやく)

通常の役とは異なる特殊な条件で成立する役です。八八の素十六(カス16枚以上)、二た八(取り札168点以上)、総八(全員88点)が該当します。特殊役が成立すると手役は吹き消されます

化け札(ばけふだ)

本来のカテゴリとは別のカテゴリとしても使用できる特別な札です。こいこいでは「菊に盃」がタネ札かつカス札としても使え、同時に両方に重複して数えられます。花見酒・月見酒・タネ・カスの最大4つの役に関わることができます。

得点と単位

文(もん)

こいこいで使われる得点の単位です。各役に文数が設定されており、こいこい倍率を掛けた合計文数が最終得点となります。

貫(かん)

八八で使われる得点の単位です。12点 = 1貫です。手役・でき役・特殊役・下り賃など、あらゆる精算がこの単位で行われます。

基準点(きじゅんてん)

花合わせと八八で使われる精算の基準となる点数です。全札の合計264点を3人で割った88点が基準点です。取り札の合計点がこの基準点を上回ればプラス、下回ればマイナスになります。

相場(そうば)

猪牡忠臣で使われる、1回の勝負で勝者が受け取る点数の基準です。場札の光札の枚数によって本場の数が決まり、コツの宣言でさらに引き上げることもできます。打ち切り役が成立した場合、相場に倍率が掛けられます。

本場(ほんば)

猪牡忠臣における相場の単位です。光札がなければ1本場、光札の枚数+1で本場数が決まります。コツの宣言や4人以上が「出る」と宣言した場合にも加算されます。

場の種類

小場(こば)

八八で場札に光札がない場合の状態です。すべての精算が1倍(基準倍率)で行われます。

大場(おおば)

八八で場札に「松に鶴」「桜に幕」「芒に月」のいずれかがある場合の状態です。すべての精算が2倍になります。

絶場(ぜつば)

八八で場札に「柳に小野道風」「桐に鳳凰」のいずれかがある場合の状態です。すべての精算が4倍になります。大場と絶場が重複した場合は絶場優先です。

平場(ひらば)

猪牡忠臣で場札に光札がない状態です。1本場として扱われます。

光場(ひかりば)

猪牡忠臣で場札に光札がある状態です。光札の枚数に応じて本場数が上がります。

二代縛り(にだいしばり)

八八で場札に大場・絶場の対象となる光札が複数枚ある場合のルールです。その枚数分の月数だけ、その場の種類(大場・絶場)が継続します。

特殊ルール / 特殊役

こいこい

こいこいにおける続行宣言です。でき役が完成した時に「こいこい」と宣言すると、得点を確定させず遊戯を続行します。こいこい1回につき最終得点が2倍になりますが、相手に先に上がられると自分の役が吹き消されるリスクがあります。

勝負(しょうぶ)

こいこいにおける終了宣言です。でき役が完成した時に「勝負」と宣言すると、その時点の役で得点が確定しその回が終了します。

みずてん

八八における親限定の特殊宣言です。札を配る前に手札を見ずに「出る」と宣言します。手札がどんな内容でも必ず出なければなりませんが、その月の終了時に取り札が89点以上なら、下りた者を含む全参加者から1貫ずつ受け取れます。

法度(はっと)

八八における禁止行為のルールです。相手があと1枚ででき役を完成させそうな時に、その完成を助ける行為(残り1枚や同月札を場に捨てる、場にあるのに取らない)が禁止されます。違反した場合はそのでき役代を2人分1人で負担します。

下げる(さげる)

八八で遊戯中にでき役が完成した際、すぐに終了せず遊戯を続行する宣言です。追加の役を狙えますが、新たな役が出来なかった場合は下げ賃(役代の半額返還)のペナルティがあります。

下げ賃(さげちん)

八八で「下げる」を宣言した後、追加の役が出来なかった場合に発生するペナルティです。役代の半額を返還しなければならず、実質的に役代が半額になります。

コツ

猪牡忠臣における相場の引き上げ宣言です。出・下りの宣言後に、出たプレイヤーのみが親から順に一巡、相場を1つ引き上げるかどうかを宣言します。

見ずコツ(みずコツ)

猪牡忠臣で手札を見ずに「出る」と宣言した上で、さらに「コツ」を宣言することです。手札の内容を知らないリスクを負う代わりに相場を引き上げ、勝った場合のリターンを大きくする戦略です。

フケ

取り札の合計点が極端に少ない場合に適用される特殊ルールです。

  • 花合わせ: 取り札が20点以下の場合、その月は無勝負。手役も返還
  • 猪牡忠臣: 取り札が15点以下の場合、その者の勝利。ただし手役を公開していた場合は不成立

雨しま流し(あめしまながし)

花合わせにおける特殊ルールです。雨しま(柳の札4枚すべて)が成立した場合、通常の役代を付ける代わりにその月のでき役を全て無効化します。札の点数のみで精算することになります。

親仲八丁ビキ十丁(おやなかはっちょうビキじっちょう)

花合わせにおける特殊役です。札を全て合わせ終えた際、取り札の枚数が親・胴二なら8枚以下ビキなら10枚以下の場合に成立します。成立したプレイヤーは他の2人からそれぞれ30点ずつ受け取ります。複数人が同時に成立することもあります。

素十六(すじろく)

八八の特殊役です。カス札を16枚以上取った場合に成立し、16枚で12貫、以降1枚増えるごとに2貫加算されます。特殊役が成立すると手役は吹き消されます。

二た八(ふたはち)

八八の特殊役です。取り札の合計点が168点以上(基準点+80点)の場合に成立し、168点で10貫、以降1点増えるごとに1貫加算されます。特殊役が成立すると手役は吹き消されます。

総八(そうはち)

八八の特殊役です。3人全員の取り札がちょうど88点の場合に成立します。親の役として扱われ、胴二とビキが親に10貫ずつ支払います。特殊役が成立すると手役は吹き消されます。

手役の用語

手四(てし)/ 四本(しほん)

手札に同月の札が4枚すべて揃っている状態です。

  • こいこい: 申し出により配り直し
  • 猪牡忠臣: 四本として手役 100点
  • 八八: 手役 6貫(72点)

喰付(くっつき)

手札に同月の札が2枚ずつ3組ある状態です。

  • こいこい: 申し出により配り直し
  • 八八: 手役 4貫(48点)

三本(さんぼん)

手札に同月の札が3枚ある状態です。

  • 猪牡忠臣: 手役 50点。公開してプレイします。四本と重複可能(合計150点)
  • 八八: 手役 2貫(24点)。飛び込みボーナスの対象です

立三本(たてさんぼん)

八八における三本の上位版です。通常の三本が2貫なのに対し、藤・菖蒲・萩の同月札3枚、または桐のカス札3枚で成立する立三本は3貫となります。

抜け役(ぬけやく)

八八の赤系手役(赤・短一・十一・空素)に付くボーナスです。弱い手札にもかかわらず取り札の合計が89点以上になった場合、手役代が1貫加算されます。

飛び込み(とびこみ)

八八の三本系手役に付くボーナスです。三本・立三本を構成していた札を、遊戯を通じて全て自分で取り切った場合、手役代が1貫加算されます。